今どこに出している?農家さんの売り先一覧

私は、日本全国の農家さんを回り取材しながら情報発信をしています。

鹿児島、沖縄、福岡と3か月ほど回りながら様々な農家さんの売り先を聞いてきました。

農家さんの販路についてわかる範囲でまとめてみたいと思います。

市場出荷

市場出荷には、JAへの出荷、地元市場への出荷が含まれます

昔から存在し、多くの農家さんが出荷しています。

価格は相場に左右されるものの、規模が大きく販路としては最も安定しています。

個人で販売すると、運送会社を通したりと様々な手間が発生します。しかし、色々な農家さんから野菜を1か所に集めてまとめて消費地に送ることになるので手間がいりません。

また、市場法という法律の中で、市場が委託販売を受けたものは全て販売しないといけないというルール(品質選定はあり)が存在します。生産者は持ち込むだけでお金になります。

メリット

  • 手間が少なく、持ち込むだけでお金になる
  • パック詰めなどする必要がない
  • 品質で金額がきまるので新規就農した農家さんの野菜でも、綺麗ならベテラン農家さんと同じ金額で売れる

デメリット

  • 相場に左右されるので赤字になる可能性もある(収入に波ができる)
  • 品質の選定があるので、傷がついているものなどは断られてしまう(B品の販売ができない)
  • 手数料が高い(JAや市場が関わってくるので中間マージンが多くかかってきてしまう)

小売店

小売店の販売には、直売所、スーパー、道の駅、八百屋などが含まれます。

近年、消費者が近くのスーパーで購入せずに、直売所等で採れたてで新鮮な野菜を購入する傾向にあります。その影響もあり、道の駅や直売所、スーパーでの地場コーナーなどが増えてきています。

販売するときの手数料は、市場出荷に比べて安くすみます。また、八百屋やスーパーなどでは、買取で販売することもあるので売れ残りの心配がありません。

しかし、様々な小売店へ持ち込みになるため配送や販売するためのパック詰め、ラベル貼り等の手間が発生します。

メリット

  • 手数料が少なく手取りの部分が多い
  • 消費者が見ることができる
  • ロットが小さくても販売が出来る(少量多品目でも販売しやすい)

デメリット

  • 配送の手間があり、売れ残りは取りに行く必要がある
  • パック詰め、ラベル貼りをしてからじゃないと出荷出来ない
  • 他の生産者などライバルも多い

ECサイト(ネット販売)

コロナをきっかけにネット販売に力を入れる農家さんも増えてきました。

食べチョクやメルカリ、ポケットマルシェなどといったオンラインサイト、アプリも近年、利用者も生産者の登録の数も伸びています。

生産者から消費者まで直接届くこととなるので、生産者にとっても購入された方の生の声が届くのはモチベーションに繋がるのではないでしょうか。

また、販売価格も自分で決めることができるので、販売が出来れば売り上げは高くなります。手数料は、送料抜いて約20%ほど。

しかし、小売店に比べても、ライバルが全国の農家さんになるので販売は簡単な話ではありません。SNSを使った自分たちの認知活動や野菜自体のブランディングなど取り組まなければいけないことが多くあります。

メリット

  • 言い値で全国の消費者に届けることができる
  • 消費者の生の声を聞ける
  • 気に入って貰えればリピートに繋がる

デメリット

  • 出品すれば売れる訳ではないので、認知活動などやらなくてはいけないことが多い
  • クール便での配送、梱包作業など手間がかかる
  • 生産者から消費者へ直接届くので品質を注意しなければいけない

その他

青果卸会社

商社とも呼ばれており、野菜を仕入れて、スーパーやコンビニなど販売する中間業者となります。

現在は、市場法の改正もあり農家さんが卸会社と取引することが可能となりました。

また、各卸会社が販売するロットは大きくなり、少量多品目では販売が難しいです。

個人のやり取りではなく、JAや農業法人など生産量が多かったり、野菜を集めることのできる企業になってきます。

カット工場

カット工場は、野菜をカットして飲食やスーパーに販売しています。

多く生産している方なら新しい販路の一つになるので営業をかけてみても面白いかもしれません。

契約販売になれば販売価格が相場に左右されない為、安定した収入が見込めます。

飲食店

飲食店は、レストラン、ホテル、居酒屋など外食を指します。

使用する量が他に比べては少ないので、ロットが小さくても販売が可能です。

金額も飲食店に卸すときは、比較的高く販売することができます。

しかし、飲食店の販路は、自分で自分の野菜を営業をしなくてはいけません。農家さんによっては得意不得意が分かれるかと思います。

最近では、SNSで自分の作っている野菜を発信することで、個人の飲食店から購入依頼が来ることもあります。

サラダ工場

コンビニのサラダやお弁当を作っているのは、大手コンビニではありません。サラダ工場等に委託しています。

有名なところで、プライムデリカ、武蔵野など調べると色々出てきます。コンビニの商品の製造業の部分に記入があるので見てみると勉強になるかと思います。

個人的な宅配(野菜セット)

自分達で開くカフェ、加工品へ等(6次産業化)

ライブコマース

終わりに

色々な農家さんを回る中で、それぞれ違う販路が存在しました。

販路はないのではなく、自分で見つけに外に出ることが重要になってきます。

農家さんが自ら営業をする時代が来たといえるでしょう。

また、JAの安定した販路も決してなくならない重要な役割を担っています。

1つの販路に絞るのではなく、販路もリスク分散することで収入を安定させることに繋がるかと思います。

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