近年よく聞くようになったGAP。どのように生まれ広まっていったのでしょうか。
GAPとは?
GAPとは、Good Agricultural Practicesの略になります。日本語で訳すと、農業生産工程管理となります。
農業生産工程管理とは、農業において、食品安全、環境保全、労働安全等の持続可能性を管理するための生産工程管理の取り組みのことです。簡単にまとめると、農業を安全に続けて行く為に普段の行動をマニュアル化していこうというような意味になります。
2020年の東京オリンピック・パラリンピックでの野菜の国際的な基準とされており注目が高まりました。
多くの農業者や産地が取り入れることにより、結果として持続可能性の確保、競争力の強化、品質の向上、農業経営の改善や効率化が期待され、また、消費者や実需者の信頼の確保も期待されます。
GAPが生まれた場所は?
食の安全は、80年代から90年代を境に農薬、持続可能性などの様々な問題を抱えていました。
そこで、90年代の終わりに欧州小売業協同組合(EUREP)が策定したEUREP GAPが始まりとなりました。
スタートは、ヨーロッパ諸国からとなっています。
GAP誕生の経緯は?
その当時、大手スーパーマーケットは、農家に対して農薬の使用基準などを含め農産物の生産における安全管理について細かく条件を求め、管理をしていました。農家にとっても出荷先によって基準がバラバラであったり、それぞれに対応方法を変えなければならなく、非常に負担の多い作業でした。一方、大手スーパーマーケット側にとっても世界に広がる生産者に自分たちの農産物の安全管理要求を伝え、そのとおりに作られているかどうかを確認しなければならなく、大変な労力と費用がかかりました。
そこで、各スーパーマーケットは、お互いに異なるルールを見直し、全性の確保については共通のルールを作る(標準化)ことによって、世界中どこから仕入れても大丈夫な生産工程の管理のあり方を共通化することにし、その取組レベルが要求レベルを満たしているかを客観的視点で評価するために公正・公平で適切な第三者による確認を求めました。これがGLOBALG.A.P.(グローバルGAP)(当時はEUREPGAP)認証の誕生の経緯です。
GAP認証が生まれた背景 | これから始めるGAP (maff.go.jp)
GAPが日本にどうやって入ってきた?
1999年から英国にりんごを輸出していた片山りんご株式会社が、販売先の青果卸業者EWT(Empire World Trade Ltd.)から、2005年1月1日までにEUREPGAP農場認証を取得するよう要請されたことが日本でのGAP認証の始まりとなっています。
そして、農業情報コンサルティング株式会社((株)AGIC)が、2003年より欧州における適正農業管理・GAPの調査・研究を開始し始めました。
その後、EUREPGAP農場認証の規準を(株)AGICが翻訳し、EUREPGAP農場認証の指導に活用します。
2005年に(株)AGICが翻訳した内容をもとに、JGAP規準Ver.2.0を作成し、日本語のJGAP農場認証制度を構築しました。
その後も、世界で広がりが進みました。日本でも、2020年の東京オリンピック・パラリンピックをきっかけに更なる広まりを見せました。
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