「全国農業新聞 5月31日号より」
今回は、「産直SNS」の活用法を紹介していきたい。
業界の市場調査を行う株式会社矢野経済研究所が2023年に発表した「産直ビジネス市場調査」によると、2019年に約2兆9000億円だったものが2022年時点では約3兆3000億円。調査には直売所なども含まれているので産直SNSだけの数値とはいえないが伸びている市場であることは一目瞭然である。
国内では、「食べチョク」「ポケットマルシェ」「産直アウル」といったサイトで利用者が多いが、利用するには手数料が15%前後かかってくる。
もし、他のSNSを活用でき自社で集客を行うことが可能ならば、初期費用だけで手数料のかからない自社ECの構築や簡単にネットショップを作成できる「BASE」の活用も考えられる。また、細かい出荷作業が全て対応可能ならば、複数のサイトを利用するのも1つの手である。
実際に、茨城県笠間市で栗の生産をおこなう「かねこ農園」では、農協への出荷のみだったが、産直SNSの利用を開始してからは毎年割合を増やしていった。現在では収穫量の半分以上を販売しているという。
売上に関しても、キロ当たりの売価が単純計算で倍となっているので、大きく増加している。また、ネット内で消費者から直接、商品に対する感想や喜びの声といったものが聞けるのでモチベーションに繋がってという。
もちろん、糖度といった味の差別化しやすい品目の方が相性いいなど存在するが、品目関係なく産直SNSを使うならばファンを少しずつ作っていくことが必要である。出品の前に一度、人気な商品を購入してみるとパッケージや梱包など色々な気づきがあるはずだ。是非、1度利用して見て欲しい。
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