取材した農家さんをご紹介 Vol.28 有限会社 中田造園 /芝生

茨城県下妻市にある中田造園さんでお話を聞かせていただきました。

中田造園さんは、芝生の栽培を行っている農家さんです。今回は、芝生栽培について、芝生の現状についてお伺いさせていただきました。

自己紹介

 
ゆうと
初めまして!農業専門ライターの鈴木です!よろしくお願いいたします!
中田さん
初めまして!中田造園の中田です!よろしくね!

茨城県は、作付面積が3100ヘクタールあり日本1位を誇る芝生産地です。特に、県内でも生産の多い下妻市とつくば市で芝生を栽培されている中田造園さん。面積は全てで55ヘクタールあり、自社での栽培を22.5町、半分を委託で栽培されています。

作られている品種は、暖地型日本芝。日本各地でみられ、暑さや湿気に強く、冬になると黄色くなる特徴があり、日本の気候に適した芝生になります。

農業を始めたきっかけについて

 
ゆうと
まずはじめに農業を始められたきっかけについてお願いいたします!
中田さん
中田造園は、父が1代目として作った会社です。私は、2代目として後を継ぐために、この世界に足を踏み入れました。

中田さんのお父さんが始められた頃は、ゴルフ場ブームがあり新規のゴルフ場が新しくでき、芝生の需要が高かったといいます。その当時は、販売と生産が分かれており、中田造園さんでは販売のみでした。

その後、ブームで増えた芝生農家でしたが、ゴルフ場ブームが下火に伴い需要の減少からの値崩れ。農家さんの高齢化。が原因となり生産する人が減っていきました。それに伴い、作らなくなった土地を借りて、販売と生産をどちらも行うように流れの変化。

同様に、中田造園さんでも販売だけから生産と販売を両立するように変わっていきました。

芝生農家の現状

芝生の価格の変化

40年前には卸値が1㎡あたり約360円ほどで推移してた価格。その後、一時期はブームの下火に伴い値崩れが起き1㎡あたり約200円を推移。現在では、前に比べ価格が安定してきており、1㎡あたり約360円となっています。(1アールあたり約36万円)

しかし、40年前と今とのお金の価値が変化してきているので価格は同じですが収入の面では減少していると言えるでしょう。更に、年間1アールあたり約240キロの肥料をしようするので、資材の価格上昇も影響してきます。

芝生の用途の変化

使われる用途も変化しています。昔では多かったゴルフ場でしたが現在は少なくなっており、現在は、家庭の庭、公園、河川堤防、防災拠点などに使用されることが増えているといいます。根が地面にはり地面の安定に繋がるからです。

現状の問題について

今までは各農家さんが自分の土地で芝生栽培を行ってきましたが、生産者の減少により1つの会社に集約されつつあります。現状、各地に散らばった農地では芝生栽培の効率が悪いです。県内1の生産量を誇るつくば市では、農地集約が進みつつあるといいます。しかし、下妻市では現状進んでおらず今後の課題として言えるでしょう。

芝生農家さんだけに言える話ではありませんが、このままでは、作業の効率化が進まない主要として集まっている農地以外を、手放さなければいけないことになり耕作放棄地へとなってしまう可能性が考えられます。

芝生栽培について

まず初めに、年間の栽培については下記の画像で説明されているので是非見てみてください!!

画像が年間の芝生栽培のスケジュールになっており、公共事業などが行われる年末から初夏が繁忙期となります。

栽培は、野菜と同じで畝を作り、苗の植え付けをしていきます。その後、柔らかい土では、収穫時に土がぼろぼろと落ちてしまったり、機械が入った時に畑を荒らしてしまうことになるので固める工程が重要です。

畝作り

芝生は、多くの肥料を必要とするので年間1アールあたり約240キロ使用するそうです。また、肥料により畑が酸性になるので石灰(アルカリ性)などの散布も必要とされます。

石灰を撒いた後の畑

多くの野菜と違う点でいうと、1回の植え付けで8年~10年栽培が可能。芝生は繫殖力が強いので、出荷する際、芝生を刈りとった後に残る根から次の年も収穫が可能になります。高齢化で再度植え付けるほどではない農家さんでは15年以上作っている方もいるそうです。しかし、良い芝生を作るためには、地力が落ちてくるので8年~10年の定期的な植え付けが必要となってきます。

芝生の刈り取り

暖地型日本芝にも品種があり、中田造園さんでは、つくばグリーン、姫高麗芝、高麗芝、野芝、tm9を作られています。品種ごとに特徴が違い、葉の長さ、厚さ、大きさなど見た目も少しづつ違いました。

つくばグリーン

姫高麗芝

高麗芝

野芝

tm9

更に、現在では、芝生業界でもITが取り入れられており、従来畑の管理は書類でやられていましたが、スマホのアプリで作業状況、土地の管理など行えるように変化しているといいます。

最後に

大きく変わり変化している芝生業界。価格、販売先だけでなくIT導入による作業の効率化や情報の共有をされており、研修生としてきた外国人も理解し使いやすいものになってました。

また、今後、芝生農家さんが減っていく中、企業として農地が集約されていくので効率化が更に大事になってくるのかなと感じました。芝生だけにいえた話ではありません、米や麦なども同様に農地が1つの生産者に集約されつつあります。今後どう効率を上げていくかも更に必要となり、収益にも関わってきます。

私は、茨城県出身ながらも芝生栽培については全く知らないことだらけでした。今回は、お話を聞かせていただき、本当にありがとうございました。

茨城県で取材した農家さん

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読んでくださりありがとうございました!

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