取材した農家さんをご紹介 Vol.34 小島農園 /きゅうり/チンゲン菜/トマト/長ネギ等

千葉県旭市にある小島農園さんでお話を聞かせていただきました。

小島農園さんでは、ハウスで夏にトマト、それ以外の季節ではきゅうりとチンゲン菜。露地では、長ネギやとうもろこしを栽培されています。

自己紹介

 
ゆうと
はじめまして!農業専門ライターの鈴木です!よろしくお願いいたします!
小島さん
はじめまして!小島農園の小島です!よろしくね!

小島農園では、約1ヘクタールのハウスがあり、夏にはトマト、それ以外の季節ではきゅうりとチンゲン菜を50アールづつ栽培。それ以外にも、季節によって長ネギやとうもろこしといった品目も作られています。その中でもきゅうりは、露地では作る事のできない冬収穫の越冬きゅうりとなるので人気商品です。

小島さんは、地域で誰もハウス栽培を初めていない頃から取り入れたり、10年前からJGAPを取得していたりと、新しいことにどんどん挑戦している農家さんです。

農業を始めるきっかけについて

 
ゆうと
まず初めに農業を始めたきっかけについてお伺いしてもいいですか。
小島さん
元々実家が椎茸や米、露地野菜を作っていて農家でした。自然と農業高校、農業大学と進み継いだ形です。もう農家になって25年になりますかね!

代々椎茸をメインで栽培していた農家だった小島さん。農業大学を卒業後研修先には産地ということもあり、きゅうりを選びました。そして、就農するとともに始めたのはハウスでのきゅうり栽培。周りの農家は露地できゅうりの栽培をしていた為、ハウスできゅうりを作っていた農家はいませんでした。

当時は、約2000万円の借金をしハウス建設をしたことから、周りからは潰れると噂されていたといいます。しかし、きゅうりは露地では冬に収穫できないことから、冬に収穫できる越冬きゅうりは需要がありました。

そこから、連作障害のリスクなども考えながら今の形になっていったといいます。

10年前から取得しているJGAP実際どうなの?

GAPを取得してから10年経つ小島農園で正直な話を聞いてみました。

  • GAPを取得しているからといって販路は増えていない
  • 単価は上がっていない
  • オリンピックの需要もほぼ無かった(コロナの影響もあり)
  • 維持費のコストがかかる

という現実問題があるそうです。

反対にメリットもあります。小島農園ではGAPを取得することで経営が良くなったそうです。

元々、2年ごとにハウスの増設をしていた小島農園さん。増設するとともに家族経営から従業員を雇用するように変わっていきました。そうすると、段々と農園の経営が上手く回らなくなっていったといいます。特に、4回のハウスの増設をした後のタイミングで、作業の理解や情報の伝達など小島さんと従業員の間で認識の問題が起こりました。

そこで、農業を行う上で守るべき基準になるGAPの導入を検討したといいます。GAPには、作業手順の標準化や効率化が進み、さらに安全性が確保され、その結果としてより良い農産物を作り出すことができるという目的があります。

小島農園では、GAPの導入することで農作業のマニュアル化ができ、作業スケジュール、情報の伝達、従業員への指導など小島農園での共通の決まり事ができました。結果、従業員の理解が上手く進むようになり、経営改善に繋がったといいます。

販売する上で大事な事とは

25年間農家として営み、規模を拡大してきた小島さん。農家がぶつかる販売について聞いてみました。

 
ゆうと
販売する上でどんなことを考えていますか?
小島さん
色々取り組んできたけど、改めて大事だなと思うことは自分の野菜の価格を説明できることかな。とにかく高く売りたい。高ければ高いほど嬉しいと思う。しかし、その根拠がないと営業にいっても納得して買ってもらうことができない。なので、どのくらい植えたら収量は〇%だからこれぐらい取れる。その野菜がいくらで売れ、経費を引いても成り立つのか分からないといけないと思う。
小島さん
説明できるようにしておくと値上げをするときに、取引先に単価に〇%乗せないと合わないと会話ができるので話がスムーズに進むという実体験もある。農家で説明できると、バイヤーと直接会話ができ、信頼関係を築いていくことに繋がる。そこまで説明できる農家が少ないからこそ、中間業者が成り立つ現状もあると思うよ。

この他にも、大事にされていることを何点か話されていたので紹介したいと思います。

自分のものを売りたいだけでは商売にならない。双方が良くないといけない。

もちろん自分の野菜を売ることが一番です。しかし、品目を何個か持っていると相手が困っている部分を助けれるような取引を提案することができます。

例えば、自分はチンゲン菜を買って欲しい、向こうは安いトマトが無くて困っている。両方の品目で納得した利益は出ないが、チンゲン菜を買ってもらう代わりに、トマトの価格を頑張ってあげる。といったように、相手のことを考えた取引ができます。結果として、長い取引や信頼関係に繋がっていくのです。

HPやSNSは簡単にでも作っておくべき。

最初は反対派だったそうです。しかし、奥さんの意見を尊重して意味ないと思いながらも作ったといいます。結果として、HPからの問い合わせは予想以上に多くきました。現在でも、ネットからの問い合わせで販路が増えることが一番多いといいます。

今後について

 
ゆうと
今後農業についてどう考えられていますか?
小島さん
現在、小島農園での取引はBtoBがメインです。しかし、日本でも農業の大型化が進み、スーパーなどでは価格競争が更に進むのではないかと考えます。価格だけではライバルが参入しやすいです。思いや体験など付加価値をつけることで、単価のアップではなくファンの獲得が必要と思います。そういった、ファンを獲得する為の取り組みも今後は取り入れていきたいですね!

最後に

今回お話を聞かせていただいて、農家は経営者なので経営状況などお金についてより考える必要があると感じました。

今までは作った野菜は農協に出してすぐお金に変わるのが農業だったので、どんぶり勘定で経営をしてきた農家も少なくはないと思います。

また、なんとなくでやってきた部分を見える化するためにGAPというものがあり、生産工程を見える化することで経営の改善にも繋がるのではないでしょうか。

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読んでくださりありがとうございました!

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