取材した農家さんをご紹介 Vol.29 ヤマブキファーム /さつまいも/干し芋/新規就農

茨城県ひたちなか市にあるヤマブキファームさんでお話を聞かせていただきました。

ヤマブキファームさんは、さつまいもの栽培から干し芋の生産までを女性2人で行われている農家さんです。2人だけで行う農業の働き方や新規就農についてお伺いしてきました。

自己紹介

 
ゆうと
はじめまして!農業専門ライターの鈴木です!よろしくお願いいたします!
ヤマブキファームさん
はじめまして!ヤマブキファームの鈴木(リサ)と北川(チハル)です!よろしくね!

現在、さつまいもブームで作れば作るだけ売れるといわれるさつまいも。さつまいも博というイベントも開かれ、さつまいもスイーツを求め多くの人が来場しています。

茨城県は、令和3年度さつまいもの全国収穫量67万1900トンのうち28%(18万9200トン)で、鹿児島県に次ぎ2位の収穫量を誇る産地です。

そんな茨城県の中でも生産量の多いひたちなか市で、さつまいもの栽培から干し芋の生産までを女性2人で行うヤマブキファームさん。2人とも別の農家さんで経験を積んだ後に、2021年に独立した2年目の若い農家さんです。

作付面積は2ヘクタールあり、さつまいものの中でも「べにはるか」を栽培。収穫後は、手作りの乾燥機を使い、手間暇をかけて1つ1つ手作業で平干しと丸干しの2種類の干し芋を作られています。その他にも、平干しを作る際に出るせっこうと呼ばれる切り端もお買い得価格で販売しています。

農業を始めたきっかけについて

 
ゆうと
まず初めに農業を始められたきっかけについてお伺いしてもいいですか?
ヤマブキファームさん
始めに2人の出会いでいうと、お互いに社会人として神奈川県に住んでいた時にソフトボールチームで出会いました。その時に、農家さんになりたいと考えていたリサと、リサの熱い気持ちを聞いて農業に興味を持ち一緒にやっていきたいと思ったチハルが、色々なタイミングが合わさり、リサの出身地であるひたちなか市で始めました(笑)

鈴木さんは元々、陸上自衛隊で幹部として働いていましたが、自分のやりたい仕事と幹部としての仕事にはギャップがあり悩んでいたといいます。このまま悩みながら続けるよりは、自分のやりたい道を進んだ方がいいという答えに行きつき、農業の業界に入りました。農業だったのは、昔から自然や土いじり、身体を動かすことが好きだったことだといいます。その後は、茨城のさつまいも農家さん、干し芋の生産販売を行う会社で経験を積み独立しました。

北川さんは、神奈川にあるソフトボールチームで鈴木さんと出会い、鈴木さんの農業に対する熱い気持ちに感化され農業に興味が湧いたといいます。その後、家庭の都合で偶然、神奈川から茨城に引っ越しをすることに。鈴木さんといつか一緒にやりたいなと考えていたので、引っ越しをきっかけに茨城の農家さんのところで働き経験を積みました。

これ以上は増やさない!2人だけで行う農業とは

お話を聞いていると、今後も従業員は雇うつもりは無く、2人で出来る範囲で農業をしていたいと話されていたのが印象的でした。

 
ゆうと
なぜ、従業員は雇わず2人だけで出来る範囲と決められているのですか?
ヤマブキファームさん
主な理由として2つあります!

商品をこだわりを続ける為に

「自分たちのこだわりをこだわり抜きたいから雇わない」

実際に従業員に教えたり伝えることは難しく、従業員と自分たちの認識の違いが出てきてしまう恐れがあり、こだわり抜けない危険性がある。自分たちも、実際に雇われていた時にそこまで考えて働けていたかと言われたら違い、休憩や給料など従業員にとって優先順位は変わってしまう。

それなら2人で作れる範囲だけでこだわって作りたいと考えています!

自由な働き方の為に

「今の自由なストレスフリーの働き方を続ける為に」

規模を拡大し従業員を雇うようになると、休憩時間の管理など時間に縛られる働き方になってしまうのかなと思います。今だと、時間、休みなど自由に決められるので、会社員時代にない働き方です☺

それ以外に天候やお金の管理など考えることが多くて、会社員時代にないストレスもたくさんかかってきますけどね(笑)

このような女性2人で行う現代的なストレスフリーな働き方を認められて、第3回日本さつまいもサミットにて【 Farmers of the year 2021-2022 】を受賞しています!

新規就農を考えてる人に伝えたい事

新規就農をしたからこそ感じることや伝えたい事について聞いてみました。

農業は甘い世界ではない、本当に覚悟があるのか。

上の文章だけを見ているとキラキラしていて誰でもできるように思われる方もいるかもしれません。こういった働き方を求めて退職し、農家さんを目指す方もいると思います。

しかし、現実は甘くありません。身体的にも、金銭的にも楽な部分はなく、むしろ人生を変えてしまうほどの失敗する可能性もあります。農業に挑戦して諦めていった人も大勢います。実際に1年目は、計画していた売り上げが経たず苦労しました、、

私たちは、急に農家になろうと飛び込むのではなく、1度農家さんで働いてみて自分に合うのか、農業ってどんなものなのか見ることをおすすめします。

1人では何もできない、周りの助けがあって今がある。

私たちは、多くの人に助けられて現在も続ける事ができています。それは、前にいた会社の人、会社時代に出来た繋がり、近所の方々など大勢です。私たちも、実際に農業の会社で働いていたからこそ、販路、中古の道具、畑など多くの助けがありました。

甘い世界ではないからこそ繋がりが必要になってくると思うので、農業関係者と繋がれるような行動、近所の方々とのコミュニケーションが大切だと思います。

お世話になっている人が作ってくれた手作りの乾燥機

最後に

ヤマブキファームさんでお話を聞いてみて、会社員時代と農業をしている時の違いをポジティブに受け止めている印象でした。今までと違う生活を楽しみながら日々過ごしているからこそ、表情が凄く明るい2人です☺

これからさつまいもの収穫シーズンになり、その後は、さつまいもの販売と干し芋の加工と繫忙期です。美味しい干し芋が食べられる時期になりますので、是非、1つ1つ手作業で仕上げるヤマブキファームさんのこだわりの干し芋食べてみてください!!

自分も買いにいきます!!

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読んでくださりありがとうございました!

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是非、色々な情報が載ってますので見てみると面白いです☺